願行寺 (京都府宇治市)
 Gangyo-ji Temple
願行寺 願行寺 
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「木幡流祖 慈心上人遺跡」の石柱










本堂
 宇治の木幡(こわた)に願行寺(がんぎょうじ)はある。「霧がくれの弥陀」と呼ばれる仏像が安置されている。山号は尊勝山という。 
 浄土宗、知恩院末。本尊は阿弥陀如来。
◆歴史年表 創建の詳細、変遷は不明。
 飛鳥時代、665年以降、僧・定恵(じょうえ、643-666)が勅により創建し、観音寺と称したともいう。
 鎌倉時代、1238年、慈心良空(じしん りょうくう)上人を開山とするという。木幡の関守・清水勝宗(椿井懐柔とも)を開基とし、一門の菩提寺になる。当初は慈心院尊勝寺と称した。慈心良空は中興開山になり、以後、寺は浄土宗木幡流の専修念仏の拠点になる。(寺伝)。以後、2代から5代(慈阿、良阿、慈空、心阿)まで、清水家より住持に就く。
 1309年、心阿の時、延暦寺、興福寺が争い、その頃、当寺は興福寺末だったことから延暦寺僧徒により当寺、周辺も焼かれる。
 年代不詳、聖慧の時、現在地に移され、再興されたという。
 室町時代、応仁・文明の乱(1467-1477)により全焼失する。
 1470年、兵乱より3年を経て再興される。
 安土・桃山時代、1576年、椿井政定により再建され、尊勝山慈心教院願行寺と改める。舎弟・深誉和尚が住持に就く。以後、知恩院末になる。 
 江戸時代、享和年間(1801-1804)、華頂山大僧正・仰誉門主より「願行寺」の板額を贈られる。清水勝政3男・深誉が中興の祖になる。
 近代、1868年頃?、末寺・道楽寺が廃寺になる。
 1873年、薬師院を廃して合併する。
◆定恵 飛鳥時代の僧・定恵(じょうえ、643-666)。定慧、貞恵。父は中臣鎌足(藤原鎌足)。母は車持国子の娘・与志古娘。弟は藤原不比等。653年、遣唐使とともに唐へ渡る。長安懐徳坊・慧日道場に住し、神泰法師に師事、法相三論を学ぶ。665年、百済を経て日本に帰国した。山階寺に住した。大原(明日香村)で亡くなる。
◆慈心良空 鎌倉時代の浄土宗の僧・慈心良空(じしん りょうくう、?-1297)。鎮西派の然阿良忠の門下。1238年、宇治木幡に尊勝寺を創建した。京都三派の一つ木幡流(木幡派、小幡流)流祖になる。
◆仏像 廃寺の遺仏と見られる仏像、石像などがある。
 「木造阿弥陀如来坐像」(宇治市指定文化財)は、平安時代後期作、廃寺になった善願寺より遷されたとみられている。一木造、彫眼、像高34.2cm。
 「木造阿弥陀如来立像」(宇治市指定文化財)は、鎌倉時代作(13世紀)。来迎印を結び、半身身。寄木造、漆箔、彫眼、像高97.3cm。逸話が残る。室町時代、応仁・文明の乱(1467-1477)後、寺は荒廃した。その後、安土・桃山時代、小堂を再建した際に、総代世話役5人の夢枕に同じ阿弥陀仏が現れ、鈴鹿峠に向かい新たな本尊を迎え入れよと告げた。皆が峠に赴くと、仏像を背負った白髪の老人に出会う。翁より仏像を受け取り、霧が晴れるとその姿は消えていた。以来、仏像は「霧がくれの弥陀」と呼ばれた。老人は、伊勢神宮の天照大神の化身だったという。
 薬師堂(現存するか不明)に、中村にあった薬師院の廃寺により、「浜の薬師像」も遷された。像は、水辺より現われたといわれている。
 観音堂に、「木彫十一面立像」が安置され鎮守とされていた。像高1尺8寸(54cm)。
◆石像 本堂右脇の不動堂に「木幡不動(一夜彫りの石不動)」が安置されている。近代、1868年の神仏分離令後の廃仏毀釈で、1873年-1874年頃、木幡でも統廃寺が相次いだ。その中の一つ阿弥陀寺から遷されたものという。また、かつて庄中にあり、1885年に当寺に遷されたともいう。木幡中央の関所付近にあり、魔軍退散守護のために安置されていたという。
 伝承が残る。平安時代、武将で公卿の平清盛(1118-1181)は、1156年の保元の乱で憤死させた崇徳上皇(1119-1164)の怨霊を恐れた。そのため、一夜で石像を彫らせ、木幡関の外に南向きに安置し、怨霊退散を祈願したものという。
◆末寺 末寺・道楽寺があったが、近代、1868年頃に廃寺になる。


*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 宇治市教育委員会の案内板、『京都府宇治郡誌』『宇治誌』『京都府の地名』、京都新聞「ふるさと昔語り」


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本堂

木造阿弥陀如来坐像、説明板より。

木造阿弥陀如来立像、説明板より。

玄関

不動堂

不動堂「不動明王」扁額

木幡不動

鐘楼

地蔵尊

観音堂

観音堂、「木幡観世音」の扁額

遊龍松?
 願行寺 〒611-0002 宇治市木幡西中10  0774-32-1866  
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