室城神社 (久御山町)
Muroki-jinja Shrine

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 久御山町下津屋、木津川堤防の北、津屋の森に室城神社(むろき じんじゃ)は祀られている。
 祭神は邇邇藝命(ににぎのみこと)、須佐之男命(すさのおのみこと、素戔嗚尊)、大雀皇子命(おおさざきのみこと、仁徳天皇)、賀土神(かぐつちのかみ、迦具土命)を祀る。 末社・住吉社に底筒男命(そこつつおのみこと)、中筒男命(なかつつおのみこと)、上筒男命(うえつつおのみこと)を祀る。
 『延喜式神名式(延喜式神名帳)』(927)中「久世郡 二十四座 大十一座 小十三座」の「室城神社」に治定されている。 
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
 奈良時代、神亀年間(724-729)、近国に大洪水があり、民が飢えた。第45代・聖武天皇の勅により、天神地祇をこの地に祀ったことに始まるという。(「久世郡祭神記」)
 聖武天皇(在位724-749)の時、悪疫流行がある。天皇は当社に退散を祈願し、弓矢を献奉した。以来、当社春祭の矢形餅(やかたもち)の神事の始まりになったという。
 平安時代、927年、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』中に「室城神社神社」と記されている。
 南北朝時代(1333-1392)、戦乱により神事は一時中断した。
 江戸時代初期、神宮寺の護国山神宮寺が再建されたという。
 1630年、洪水により木津川の堤切れが起こり、社殿、文書も流出した。社地は室の木より現在地ヘ遷される。(「久世郡神社明細帳」、社伝)。その後、社殿が再建されるが、規模は縮小され、以後、仮殿と称された。(社伝)
 近代、1873年、村社に列せられた。(「久世郡神社明細帳」)
 1877年、延喜式内久世郡、室城神社と治定された。(「久世郡神社明細帳」)
 1914年、木津川改修工事に伴い、護国山神宮寺が廃寺になる。
◆延喜式 延喜式内久世郡の室城神社については比定されているが諸説ある。平井神社(城陽市白川)、白山権現社(白山神社)(宇治市白川)ともいう。
 室城(むろき)とは、室樹(むろき)という。(「神社覈録」「神名帳考証」)。榎室連(えむろ の むらじ)の祖を祀ったものともいう。
 伝承がある。古代豪族・榎室連は天火明命(あめのほ あかりのみこと)を祖とし、この地の開拓に携わった。飛鳥時代、厩戸王(うまやどのおう、聖徳太子、574-622)が、山城巡行に際して、久世郡水主郷の水主(山猪子連、やまいこのむらじ)古麻呂の家に立ち寄る。門に榎の大樹があり、太子は「樹がまるで室のようであり、これなら大雨でも水が漏れないと」といい、榎室連の姓を授けたという。(「新撰姓氏録」)
◆神宮寺 かつて境内に護国山神宮寺が存在し、法印(僧侶)が住していた。創建年代は不明だが、江戸時代初期に再建されたという。泉涌寺末寺であり、菩薩形坐像を本尊とした。
 近代、1914年、木津川改修工事に伴い、神宮寺は廃寺になる。また、1868年の神仏分離令後の廃仏毀釈に際して廃されたともいう。本尊は境内の北西の迎接寺(こうしょうじ)に遷された。菩薩形坐像(77.6㎝)は木造、彩色。平安時代、9世紀(801-900)末の作とみられている。
建築 社殿は西面している。本殿、拝所、拝殿がある。本殿は流造、銅板葺、。
◆宮座 当社にはかつて三座の宮座があった。御幣座、北座、南座であり、それぞれ祭祀を司どった。ある時、木津川氾濫があり、その後、木津川の付け替え工事が行われた。
 流路が下津屋を南北に分断したため、祭神を分神し、当社南西木津川対岸の上奈良村に、新たに御園神社(奈良御園神社、八幡市)が祀られた。以後、御園神社は南座が祭儀を司どり、獅子を譲り受けた。残された御幣座、北座は当社を司り、神輿を譲り受けた。 近代以降、神宮寺廃止に伴い、宮座ではなく下津屋全体で奉祭することになった。現在、3戸が3年続けて当家(宮総代)を務め、祭礼などを取仕切る。
◆神事 春祭の矢形餅(やかたもち)の神事(3月6日)では、弓と矢の形をした餅を神前に供え、疫病退散を祈願する。この神事の起源は、奈良時代、山城に疫病が流行した際に、聖武天皇が、天王山の宝寺(大山崎町、宝積寺)参詣の後、室城神社に弓矢を奉納し、疫病退散を祈願したことにあるという。
 神事では、神饌の人参、大根のなます、目黒魚、弓餅、矢形餅を釣台に載せ、宮司、宮総代が神社へ向かう。神饌を神前に供え、悪病退散の祈願が行われ、矢形餅は氏子、参詣人に授与される。餅を食べれると疫病除けになるとされる。
 秋祭(10月9日)は、6日より準備が始まる。ざるの笊(いかき)を宮総代の軒先に吊り、砂を入れかわらけを載せる。灯明を点し、御幣を立てる。宮司は笊前で祓いの式をする。神饌は、釣台に載せられ笊の下を通り、神社に供される。6日に御幣は四垂れ大小2本3組が作られ、7日に神前に奉じられる。小3本の御幣は家に持ち帰り、一端家の床の間に祀られ、9日に再び神社に奉じられる。
◆年間行事 歳旦祭(1月1日)、初午祭(2月上旬午の日)、節分祭(2月3日)、春祭・矢形餅神事(3月6日)、祈年祭(3月21日に近い日曜日)、大祓(6月30日)、住吉祭(住吉社)(7月31日)、神幸祭(お出で)(10月7日)、例大祭・たるみこし巡行祭・還幸祭(10月9日)、新嘗祭(11月23日に近い日曜日)、大祓(12月31日)。
 月次祭(毎月1日)


*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献 『久御山町史 第一巻』『京都・山城寺院神社大事典』『久御山町の今昔』『京都の地名検証 2』



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末社・住吉社

末社・住吉社、底筒男命(そこつつおのみこと)、中筒男命(なかつつおのみこと)、上筒男命(うえつつおのみこと)
稲荷社
稲荷社、宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)

稲荷社

手水舎
龍身の水盤

【参照】境内近くの木津川、川幅は広い。普段の水流はあまりない。
室城神社 〒613-0035 京都府久世郡久御山町大字下津屋小字室ノ城98-1 
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