妙智院 〔天龍寺〕 (京都市右京区)
Myochi-in Temple
妙智院 妙智院 
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宝徳稲荷社、家光弁財天社


宝徳稲荷社、家光弁財天社



宝徳稲荷社



家光弁財天社
 天龍寺境内の勅使門の南東に塔頭・妙智院(みょうちいん)がある。 
 臨済宗天竜寺派。本尊は釈迦牟尼仏(薬師如来像とも)。
 天龍寺七福神めぐりの一つ、宝徳稲荷を祀る。商売繁盛、五穀豊穣の信仰がある。
◆歴史年表 室町時代、1453年、亨徳年間(1452-1455)、1457年-1463年とも、開山・竺雲等連(じくうん とうれん)が創建した。その寿塔とされた。堺の貿易商人・雲栖軒奇峯道夏居士の外護による。当初は現在の宝厳院の地にあった。
 天文年間(1532-1555)、3世・策彦周良(さくげん しゅうりょう)が住持になる。策彦は当院で没した。
 江戸時代、1788年、御朱印91石1斗8升2合を得る。(「天竜寺末寺帳」)
 1864年、焼失する。庫裏の一部は焼失を免れた。
 近代、1877年、明治期(1867-1912)とも、華蔵院に妙智院が合併され、華蔵院を妙智院と改め現在地に再建される。禅昌院の合併後、その跡地は惣門内の広場に改められた。また、宝(寶)徳院、華蔵院、逸休院、禅昌院、性智院などが合併され再建されたともいう。
◆竺雲等連 室町時代の臨済宗の僧・竺雲等連(じくうん とうれん、1383-1471)。遠江国の生まれ。天龍寺の大岳周崇の法嗣(夢窓派)、応永年間(1394-1427)、明に渡る。摂津国・広厳寺、万寿寺の住持、1435年、相国寺の住持。臨川寺三会院の塔主、夢窓の100年忌に、第102代・後花園天皇、足利義政に衣を授けた。天龍寺に宝徳院、妙智院を開創した。1444年、南禅寺155世の住持、1455年、相国寺の鹿苑院に住し僧録司に任じられた。相国寺40世。天龍寺・妙智院に隠退。応仁・文明の乱(1467-1477)で伊勢国に逃れ、金剛宝寺を開く、同寺で没した。
 漢書に精通し、訓点に秀でた。
◆策彦周良 室町時代-安土・桃山時代の臨済宗の僧・策彦周良(さくげん しゅうりょう、1501‐1579)。丹波の管領細川氏の家老・井上宗信の3男。1510年(1509年とも)、9歳で鹿苑寺・心翁等安に師事した。1512年、船岡山合戦で一時、師とともに丹波に逃れる。1518年、天龍寺で剃髪、具足戒を受け周良と称した。1522年、師没後、継いで塔頭・妙智院3世。1539年-1541年、勘合貿易船(入明進貢船団)の遣明副使、1547年-1550年、正使として2度入明した。その記録の『策彦和尚初渡集(入明記初渡集)』『策彦和尚再渡集(入明記再渡集)』を著し、外交、風俗・文化の貴重な史料になる。五山の碩学として知られ漢詩文に優れた。1556年、駿河・今川義元主催の詩歌会に参加する。1556年-1557年、武田信玄に招かれ甲斐・恵林寺住職。帰国後は天龍寺・妙智院に隠棲。第106代・正親町天皇、織田信長などとも交流した。
 妙智院で亡くなり関連史資料が残る。
◆仏像・木像 本堂に本尊「釈迦牟尼仏」を安置する。旧宝徳院より遷された。
 ほかに観音像、開山・竺雲等連、大檀越・雲栖軒奇峯道夏居士の等身大坐像が安置されている。
◆華蔵院 華蔵院は照翁妙誠の開基によるという。
◆宝徳稲荷 境内に祀られている宝徳稲荷は、宝徳年間(1449-1452)に、室町時代、宝徳年間(1449-1459)、妙智院7世・中山法頴(ちゅうざん ほうえい、?-1363)が伏見稲荷大社より勧請したという。中山は、鎌倉・建長寺の明徹光琮の法を嗣ぐ。
◆天龍寺七福神 天龍寺七福神めぐりの一つ、宝徳稲荷を祀る。
 天龍寺七福神めぐりは、節分(2月3日)に天龍寺の総門前、法堂前で福笹を受け、境内塔頭7か寺を巡る。七福神がそれぞれ開扉され、お札を授かり一年の幸福を祈願する。
 三秀院(東向大黒天)、慈済院(水摺大弁財天)、弘源寺(三国伝来毘沙門天)、松厳寺(福禄寿)、妙智院(宝徳稲荷)、寿寧院(赤不動明王)、永明院(恵比寿)の7塔頭になる。
◆建築 山門の菊の紋の彫刻は、宝徳院の名残になる。後花園天皇、後小松天皇の追福のために建立されたことを示すという。
 境内に祀られている鎮守社の宝徳稲荷は、妙智院より、弁財天は宝徳院より移された。
◆文化財 『策彦入明記』(重文)。入明記類『大明譜』『渡唐方進貢物諸色注文』。策彦周良の遺稿。
 無等周位筆、夢窓疎石自賛、絹本着色「夢窓国師像」(重文)は上半身の頂相になる。南北朝時代、1349年、天龍寺2世・無極志玄に与えられたものという。
 柯雨窓賛の絹本着色「策彦周良和尚像」(重文)。
◆庭園 かつて、庭園は名庭といわれ、『都林泉名勝図会』にも記された。その後、破却され、「獅子吼の庭(ししくのにわ)」「獅子巌」は、天龍寺塔頭・宝厳院の庭に移された。
◆湯豆腐 境内に、嵯峨野で一番古い湯豆腐店といわれる「西山艸堂(せいざんそうどう)」が営業している。妙智院の直営であり、豆腐は嵯峨の老舗「森嘉」の豆腐を使う。
◆年間行事 天龍寺七福神めぐり(節分、2月3日)、開山忌(6月)。


*非公開、宝徳稲荷は参拝可。
*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献 『天龍寺』『京都の禅寺散歩』「山城国葛野郡天龍寺の境内地処と関係資料」『事典 日本の名僧』『曹源  第25号』『昭和京都名所図会 4 洛西』『京の福神めぐり』


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境内のイチョウの大木、楓
妙智院 〒616-8385 京都市右京区嵯峨天竜寺芒ノ馬場町63-1  075-881-8788 
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