天授院 〔妙心寺〕 (京都市右京区)
Tenju-in Temple

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 妙心寺境内南西に塔頭・天授院(てんじゅいん)がある。妙心寺の専門道場になる。
 臨済宗妙心寺派。 
◆歴史年表 南北朝時代、1380年、開祖・妙心寺2世・授翁宗弼(じゅおう そうひつ)により創建された。南朝年号の「天授(てんじゅ)」を院号とした。
 室町時代、応仁・文明の乱(1467-1477)後、雪江宗深(せっこう そうしん)が再建した。
 文明年間(1469-1487)、悟渓宗頓(ごけい そうとん)に付嘱する。当時は、妙心寺山内の東海庵と方丈の間に位置していた。
 江戸時代、1653年、増改築にともない、現在地に移建される。
◆授翁宗弼 鎌倉時代-南北朝時代の臨済宗の僧・授翁宗弼(じゅおう そうひつ、1296-1380)。父は藤原(万里小路)宣房ともいう。明極楚俊(みんき そしゅん)に学ぶ。第96代(後に南朝初代)・後醍醐天皇に仕え、1333-1336年、建武の新政の際に天皇を諫めた。洛北岩倉で不二大徳に支持して得度した。岩倉に20年間隠遁した後、妙心寺の関山慧玄(かんざん えげん)に参禅して法嗣、妙心寺2世。大徳寺・宗峰妙超(しゅうほう みょうちょう)にも参禅、宗弼の法名を授かる。諡号は神光寂照禅師、円鑑国師。
 出家した万里小路藤房(までのこうじ ふじふさ)と同一人ともいう。
◆雪江宗深 室町時代の禅僧・雪江宗深(せっこう そうしん、1408-1486)。摂津に生まれる。建仁寺五葉庵の文瑛に学ぶ。犬山・瑞泉寺の日峰宗舜に師事、師と共に妙心寺に入る。義天玄承の法嗣。養源院に住した。1462年、龍安寺住持になる。応仁・文明の乱(1467-1477)後、妙心寺の再建を行い、中興の祖といわれる。外護者に細川勝元・政元を得る。「米銭納下帳」 (1486-1885)により寺院経営を行い、経済基盤も確立した。『開山行実記』『正法山妙心禅寺記』を選述した。仏日真照禅師、本源円通国師とも称された。
 四人の弟子、景川宗隆(竜泉派)、悟渓宗頓(東海派)、特芳禅傑(霊雪派)、東陽英朝(聖沢派)がおり、それぞれ「四派」の開祖として教団統括運営組織の基礎を築いた。
◆悟渓宗頓 室町時代の臨済宗の僧・悟渓宗頓(ごけい そうとん、1416-1500)。尾張国に生まれる。17、18歳で犬山・瑞泉寺の日峰の下で禅の修行、その後、妙心寺・日峰、汾陽寺・雲谷玄祥、愚渓寺・義天玄 詔、伊勢の大樹寺・桃隠玄朔に付く。1464年龍安寺・雪江宗深の法を嗣ぎ、悟渓の名を与えられる。1467年、応仁・文明の乱(1467-1477)により帰郷する。瑞泉寺に臥龍庵を営む。1468年、守護代・斎藤妙椿(利藤)の帰依により美濃に瑞龍寺を建立し開山(勧請開山は雪江)になる。1471年、大徳寺を経て、1481年、妙心寺11世になり復興の基礎を築く。草庵・東海庵を結び東海派の発祥になる。瑞龍寺に戻り、尾張余野の徳林寺開山。1497年、朝廷より生前の諡号・大興心宗禅師を受け、妙心寺初例になる。瑞龍寺・済北院で死去した。著作に「虎穴録」。
 妙心寺東海派の祖。1848年、350回遠忌の際に第121代・孝明天皇より仏徳広通国師の諡号を受ける。天縦宗受など八哲と呼ばれた濃尾地方の弟子がいる。
◆万里小路宣房 鎌倉時代-南北朝時代の公卿・万里小路宣房(までのこうじ のぶふさ、1258-1380)。藤原宣房。万里小路資通の子。大覚寺統・後二条天皇に属し、五位蔵人・弁官、蔵人頭・参議、1308年、天皇没後に参議を辞す。1318年、大覚寺統・後醍醐天皇即位により権中納言に復帰。1324年、正中の変で、鎌倉へ赴き天皇に対する弁明を行い、権大納言に昇進。1331年、天皇による討幕計画、元弘の変で、子(藤房、季房)が討幕に関与したとして六波羅探題に拘束された。1332年、許され、持明院統・光厳天皇への出仕を命じられた。1333-1336年、建武の新政下で、従一位、雑訴決断所の頭人。1336年、出家した。以後、持明院統(北朝)方に付く。
 後世、後醍醐天皇の信厚い臣「後の三房」の一人として称された。日記『万一記』を残した。子の万里小路藤房は授翁宗弼と同一人物ともされる。
◆文化財 藤原宣房(万里小路宣房)筆の「法華経譬喩品(ほけきょうひゆぼん)」(重文)がある。


*非公開
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『妙心寺 六百五十年の歩み』


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天授院 〒616-8035 京都市右京区花園妙心寺町36  075-463-7108
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