神南備神社・甘南備山 (京都府京田辺市)
Kannabi-jinja
 Shrine,Mt.Kannabi-yama
神南備神社・甘南備山 神南備神社・甘南備山 
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「式内 神南備神社」の社号石標














本殿



本殿



本殿の背後の甘南備山、雄山
 神南備神社(かんなび じんじゃ)は、神の山とされた甘南備山(かんなべやま/かんなびやま、標高221m/217m)の頂上付近に祀られている。 
 甘南備山全体を神として祀る。祭神は、天照大神(あまてらすおおみかみ)、また、月読神ともいう。地神として、鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)、相殿に大国主命(おおくにぬしのみこと)、天兒屋根命(あめのこやねのみこと)。また、天神(あまつかみ)として高皇産霊尊(たかむすびのみこと)、天照大神、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)の三神を祀るともいう。
 式内社。平安時代、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』(927)中「綴喜郡 十四座 大三座 小十一座」の「甘南備神社」に比定されている。  
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
 古来より、甘南備山は「神の依りつく山」とされ、山全体を神として信仰された。
 弥生時代、甘南備山と呼ばれる。豊穣と雨乞いの祈祷の場として信仰されていたという。
 平安時代、天平年間(729-749)、行基は神宮寺の甘南備寺を開創したともいう。
 771年、第49代・光仁天皇の時、神封(しんぷう)一戸を寄進される。
 794年、第50代・桓武天皇による平安京造営に際して、甘南備山は京都の中軸線として朱雀大路建設の目印にされたという。
 927年、平安時代、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』中「綴喜郡 十四座 大三座 小十一座」に、「甘南備神社」とある。
 中世(鎌倉時代-室町時代)、神南備神社の神宮寺だった甘南備寺(かんなびじ)が荒廃する。
 室町時代、1429年、一休は、大応国師開山の妙勝寺に入り、甘南備山に登った。子どもらと問答したという。
 1520年、『山代国神奈備記』には初代・神武天皇(BC660-BC590)が東遷の際にこの地を訪れ、天神地祇を祀ったと記されている。
 江戸時代、1689年、甘南備寺が現在地(田辺市薪)に移る。
 近代、1873年、村社格になる。
 1877年、延喜式内甘南備神社になった。
 1930年、現在の神殿、神門、板塀、石柱、石玉垣、石鳥居が完成する。
 現代、1959年より、甘南備山新春初登りが始まる。
 1977年、社殿が修復された。
 1992年、甘南備山は京都府の「京都の自然200選」に選定された。
◆甘南備山 甘南備山(かんなびやま、神南備山、神奈備山)は、二つの峰が連なる二上山(にじょうざん)の形式になる。山容は富士山に似ているという。富士は不死(不老不死)に通じた。一帯の面積は0.84㎡あり、神南備神社の祀られている雄山は標高221m、北西の三角点のある雌山は標高201.6mある。
 地元で山は、「かんなべやま/かんなべ」、「そうやま(惣山)」とも呼ばれている。「かんなび」とは、「神(かむ)の霊(ひ)」であり、古来より、神の依りつく山、神の降臨した山、神の御座所とされ信仰の対象になった。奈良・御諸山(三輪山)、奈良・三室山(三諸山)などとともに崇敬された。
 甘南備神社は、月読神を迎え、山麓の月読神社に遷して祀ったとの伝承がある。この天孫降臨神話は、大住隼人により伝えられた。隼人の御神楽は、風俗舞として宮中御神楽、大嘗祭に奉納される。以来、この地は、宮中御神楽発祥地とされ、御神楽は猿楽、能楽として展開された。
 かつて、山の西北、竜王ヶ谷(水晶ダカ)では水晶を産した。山は薪炭の供給所でもあり、一帯の水源地として、甘南備川など複数の谷川が流れ下り、滝もある。かつて、日照りの際に雨乞いをしたという「雨乞いの井戸」跡も残る。
 平安時代、794年、平安京造営に際して、甘南備山は、都の中軸線として平安京の南北の通りである朱雀大路の目印にされたという。京都市内の北端の船岡山(玄武)、南の甘南備山(朱雀)の2点は結ばれ、線上に朱雀大路、羅城門、大極殿が建設された。
 現在でも、甘南備山の北西の尾根筋に一等三角点が置かれ、ほぼ真北の方角に京都市の市街地全景、比叡山、愛宕山、北山などが見渡せる。この峰の東下50mの崖地には、「白石(しらいし)」と呼ばれる大岩が露岩している。白石の名の由来は、太陽光線の反射により、岩(石英、長石質)が白く光ったためという。岩は、観測の際の目印にされたとみられている。
 甘南備山は、1992年に「京都の自然200選」、「生活環境保全林100選」に選定されている。 
◆建築 社殿は方三尺(91cm)の神殿、神門、板堀がある。
◆神楽 甘南備山の麓は、「宮中御神楽発祥地」といわれている。
 かつて、甘南備神社は、月読の神を迎え、麓の月読神社に祀ったといわれ、天孫降臨の地とされた。大住隼人がこの神話を伝承し、御神楽は隼人の風俗舞として、宮中御神楽、大嘗祭に奉納された。後に、御神楽が猿楽、能楽の芸能に展開した。
 甘南備山麓の薪神社(京田辺市薪)は、「能楽発祥の地」とされている。延喜式内・月読神社(京田辺市大住)も祀られている。
◆自然 1992年、甘南備山は京都府の「京都の自然200選」に選定された。神宿る山は、「薪甘南備山生活環境保全林」になっている。タヌキ、ウサギ、リスなどの小動物、キジ、ヒヨドリ、セキレイなどの野鳥が生息する。
 マツ、スギ、ヒノキの大木、ツツジ、サクラ、ウメなどの花木も多い。タカサゴシダ(絶滅危惧種)の群生もあり、近畿地方が生育地の北限といわれている。
◆地質 甘南備山には、ホルンフェルス(hornfels,変成岩の一種、熱による接触変成作用による接触変成岩)が見られる。
 中生代白亜紀の花崗岩体があり、長柱状の水晶(1-3㎝)が上部に広く分布する。
◆年間行事 甘南備山新春初登り(1月3日)、例祭(10月15日)。


*山頂へは、登山口駐車場より徒歩60分ほどかかります。複数の案内板もあり道は整備されわかりやすくなっています。途中、山上に人家はありません。
*年間行事・は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『田辺町史』『田辺郷土史 社寺篇』『薪誌』『京都府の地名』『京都・山城寺院神社大事典』、京田辺市教育委員会・京田辺市文化財保護委員会の説明板
『京都の地名検証』『甘南備山マップ』


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雄山頂上の敷石、瓦片

手水盤

【参照】甘南備山

【参照】甘南備山、雄山よりの東の眺望

【参照】甘南備山、雌山、三角点がある。

【参照】雌山よりの北の眺望、京都市内が見通せる。右端に比叡山、左端に愛宕山、中央よりやや右に京都タワーが見えている。

【参照】雌山よりの眺望、中央に京都タワー

【参照】雌山の白石

【参照】白石の近くにあるもう一つの大岩
平安京オーバレイマップ
神南備神社 〒610-0341 京都府京田辺市薪甘南備山10 
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