伏見稲荷大社御旅所 (京都市南区)  
Fushimi-inari-taisha Otabijo

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長い石玉垣



 
           

大神宮、天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、豊受皇大神(とようけのすめおおかみ)


稲荷社、稲荷大神(いなりおおかみ)、


上命婦社、上之命婦(かみのみょうぶ)


下命婦社、下之命婦(しものみょうぶ)
 東寺の北東に、伏見稲荷大社御旅所(ふしみいなりたいしゃ おたびじょ)がある。稲荷祭では、本宮より神輿渡御を迎え、駐輿される。 
 祭神は、稲荷社に稲荷大神(いなりおおかみ)、大神宮に天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)、豊受皇大神(とようけのすめおおかみ)、上命婦社に上之命婦(かみのみょうぶ)、下命婦社に下之命婦(しものみょうぶ)を祀る。
◆歴史年表 かつて、伏見稲荷大社御旅所は、下社(七条油小路)、中社・上社(八条坊門猪熊)にそれぞれあった。旧地は「古御旅所」といわれ、地名にも御旅町(旧西九条村、南区古御旅町)として残る。
 安土・桃山時代、天正年間(1573-1592)、豊臣秀吉により、2か所の御旅所が廃され、現在地に遷された。
 現代、1973年、神輿奉安所が建てられた。
◆稲荷祭 「稲荷祭」(4月20日寄りの日曜日-5月4日)は、当社の最重要神事になる。現在は、神幸祭、還幸祭、後宮祭からなり、稲荷大神が御旅所に渡御し、還幸する。御旅所に留まる期間(御旅中)が長い。
 古く、稲荷祭とは、還幸祭のみを意味した。かつて、「神幸(おいで、おわたり)」は、4月二の午の日、「還幸(おかえり)」は、5月初卯の日に行われていた。稲荷祭は稲荷御霊会が発展したものという。平安時代、貞観年間(859-877)から続き、1040年の「春記」に記されている。室町時代、1442年、山鉾も登場し、祇園祭に匹敵する盛大な祭りだったという。応仁・文明の乱(1467-1477)により中断、山鉾も消滅した。かつて、七条通で鴨川を渡る際には、大篝を焚いた。戦乱後、1476年に神幸が再開される。江戸時代、1774年、神幸列に産土地の人々が奉仕した。江戸時代には、「京の三大祭(ほかに賀茂祭、祇園祭際)」の一つになった。
 5基の神輿は、田中社(不動堂)、上社(東九条)、下社(塩小路・中堂寺)、中社(西九条)、四大神(八条)であり、五ヶ郷がそれぞれ奉仕する。これは、応仁・文明の乱の際に、5郷民が神輿を担いで難を逃れたとの伝承に因む。神輿は全国有数の優美華麗さと重さ(1t)を誇り、かつては1基を駕輿丁300人が担いだ。
稲荷社と東寺 『弘法大師行状絵詞』中、「稲荷来影」の段に、稲を背負った老翁(稲荷神)が空海と再会する逸話がある。空海は筑紫で、稲を担った老翁に出会う。老翁は京都の柴守長者(しばもり ちょうじゃ)といい、仏法守護するという。また、816年、紀州田辺で行をしていた空海は、仏法隆盛に協力するという老翁(稲荷神)に出会う。その後、823年、身の丈八尺(2.4m)の白髪の老翁は、二人の女と二人の子を連れ、東寺の空海を訪ねる。南大門で翁は、稲を荷い杉の葉を持っていたという。空海は柴守長者の家(八条二階堂屋敷旧跡、伏見稲荷大社御旅所)に一行を泊める。空海は、東南の東山、東寺の仙山で7日間の鎮壇の修法を行い、老翁(稲荷神)に鎮座させた。老翁の「稲荷い」に因み、「稲荷明神」と称したという。(『稲荷大明神流記』)。
 当社の稲荷祭・還幸祭(5月3日)では、空海が東寺を訪れた老翁(稲荷神)をもてなした伝承に由来する儀式が続く。伏見稲荷大社御旅所へ、5基の神輿が還御する。途中、神輿は東寺に立ち寄り、東寺僧侶による神饌献供を受ける。これが、空海が稲荷神を饗応した伝承に因むものという。近代、1872年までは神輿は東寺南大門より入り、金堂前で献供、法要を受けていた。
◆年間行事 神幸祭(4月20日前後の日曜日)。午前11時頃、5基の神輿に神霊が遷される。午後2時、神輿は伏見稲荷大社を出て伏見街道を北上、七条通を西行、醒ヶ井通を南行する。午後3時頃、御旅所に着き駐輿する。
 氏子祭(神幸祭より1週間後の日曜日)。5基の神輿は、それぞれの氏子地域を巡回する。
 還幸祭(5月3日)。午後2時頃、神輿は御旅所を出発し、御旅所前通、大宮九条を西行する。東寺の二王門から境内に入り、八幡宮前で東寺の僧により御供が奉納される。その後、二王門を出て、九条通を東行、大宮通を北行、松原通を東行、寺町通を南行、五条通を東行、伏見街道を南行する。午後4時頃、伏見稲荷大社に戻り、本殿に神霊を遷す。
 六斎念仏(京都中堂寺六斎会による奉納。)(4月30日)。


*年間行事は中止・日時変更、拝観中止・時間変更の場合があります。
*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』『お稲荷さんの起源と信仰のすべて 稲荷大神』『京都市の地名』


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【参照】旧地に古御旅町((旧西九条村、南区古御旅町))の町名が残る。
map  伏見稲荷大社御旅所 〒601-8416 京都市南区西九条池ノ内町98   
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