宗蓮寺 (京都市北区)
Soren-ji Temple
宗蓮寺 宗蓮寺 
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 北山杉の美林を縫うようにして走る周山街道(国道162号線)は、日本海の小浜に向う。中川トンネルを避け旧街道へ抜けると、谷あいの小さな中川地区に着く。 
 里を流れる清滝川の両側には、急峻な山が迫る。東の山の斜面を登りきると、高い石垣の上に建てられた宗蓮寺(そうれんじ)が見えてくる。「貴船菊の寺」「花の寺」とも呼ばれる。古くより里人の信仰を集めてきた。山号は中尾山という。
 浄土宗捨世派、本尊は阿弥陀三尊像。
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
  室町時代後期、応仁・文明の乱(1467-1477)後、円誉上人が中川の里に小堂を建てたことに始まるという。
◆円誉 室町時代の浄土宗の僧・円誉(えんよ、1496-1584)。詳細不明。学徳兼備の名僧といわれた。諸国行脚し、応仁・文明の乱(1467-1477)後、洛中を避け、北山御室、栂尾・中川の山中に庵(後の宗蓮寺)を結ぶ。1538年、正行院を創建した。猿名号を持つ。
◆円誉と猿の逸話 自然豊かな中川の地で円誉は、庵(後の宗蓮寺)を結んだ。ある時、上人は、猿や鹿などの野生動物の守護のために、動物の首に「南無阿弥陀仏」と記したお守り(名号)を結んでやった。
 猟師の完又十郎は、山中で一匹の猿を見つけ、弓で狙いを定めた。その時、猿は合掌し、又十郎を拝むような仕草を見せる。胸にはお守りが見えた。また、猿は袋を投げてよこした。又十郎は自らの殺傷を悔い、猟師をやめて円誉に弟子入りし出家したという。熱心な念仏信者になったという。
◆庭園 書院式借景庭園がある。「北山十景」の一つに数えられている。谷を隔てた向かいの山には、北山杉などが植林されており、借景に取り入れている。前景になる庭には、山桜、楓などが植栽され、春秋にそれぞれの彩を添える。
 山門より本堂に向う参道には池泉庭園がある。随所に四季折々の草花が植えられている。
◆花暦 境内には、石楠花(4-5月)がある。
 笹百合(6月)も植えられている。日本原産で、葉は少なく笹に似ているためこの名がある。花弁は薄紅色か白色で高貴な香りを漂わせる。かつて里山などに自生していたという。だが、山の荒廃などで年々減少し、いまでは「幻の百合」と呼ばれている。
 九輪草(6-8月)、京鹿子(6月)、時鳥草(初夏-秋)、秋海棠(8-10月)。
 10月、境内には金鳳花科の貴船菊(秋明菊)が薄紅色の花を咲かせる。かつて貴船に自生し、秋に菊花に似た花を付けることから名の由来になる。中国原産で、漢名は「秋牡丹」といい、古い時代に日本に持ち込まれたという。茶花としても使われた。現在、貴船での群生は見られず、薄紅色の原種は「幻の花」といわれている。
 石蕗(10-11月)、紅葉も知られている。
◆石仏 境内には複数の石仏がある。
◆映画 一帯の中川の里では映画の撮影も行われている。現代劇映画「古都」(監督・中村登、1963年、松竹)、菩提の滝では時代劇映画「尼寺秘物語」(監督・中島貞夫、1968年、東映)の撮影が行われた。


*交通 JR京都駅よりJRバス周山行、約一時間、山城中川下車徒歩約10分。
*現在は境内撮影禁止。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都 阿弥陀の寺と庭』『古都歩きの愉しみ 京都 花の寺・隠れ寺』 『京都 四季の庭園』『京都 歴史案内』『昭和京都名所図会 5 洛中』『京都シネマップ 映画ロマン紀行』
  


  関連・周辺     周辺中川八幡宮社     関連正行院(猿寺)        



コデマリ



本堂、「中尾山」の扁額

境内には複数の仏型の墓がある。

鎮守社



秋明菊

杉塚、「磨かれて 冬日まぶしい 杉丸太」、清崎敏郎

参道途中、北山杉(手前)と紅葉



周辺の山林、山桜
 宗蓮寺 601-0122 京都市北区中川北山町214  075-406-2701  10:00-16:00
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