有栖川宮旧邸・京都地方裁判所所長旧官舎 (京都市上京区) 
old ArisugawaWa residence
有栖川宮旧邸  有栖川宮旧邸
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青天門




長屋門


屋敷内から見た長屋門


玄関
 京都御所の西に、宮家・有栖川宮(ありすがわのみや)旧邸、かつての京都地方裁判所所長官舎の旧官舎だった「平安女学院大学有栖館」がある。
◆歴史年表 
有栖川宮邸は、京都御所南にある建礼門の前付近に建てられていた。
 近代以降、1873年より一時期、京都裁判所の仮庁舎として使用される。
 1891年3月、現在地に移築された。
 現代、2007年まで、京都地方裁判所所長官舎として使われた。
 その後、民有地になる。
 2008年8月、学校法人・平安女学院の所有となる。現在は「伝統文化の教育や文化活動の拠点」として活用されている。
◆有栖川宮 宮家の有栖川宮家は、江戸時代、1625年に創設された。「四世襲親王家」のひとつであり、初代は、第107代・後陽成天皇の第7皇子・好仁(よしひと)親王による。宮号の由来は、伏見宮家の祖、栄仁(よしひと/なかひと)親王が、有栖川とも称したことに因む。第2代・良仁(ながひと)親王は中継ぎの天皇、第111代・後西(ごさい)天皇になる。
 歴代、書道・歌道の師範として、将軍家との婚姻関係も結んだ。上野の寛永寺や京都の知恩院などに次男以下の子弟を門跡として入寺させた。
 1913年、第10代・威仁(たけひと)親王の没後、1923年、威仁親王妃・慰子の死去に伴い絶家となる。祭祀は、第123代・大正天皇の第三子・光宮宣仁(てるのみや のぶひと)親王により継承され、宮号は、同年に創設された高松宮と改められた。
◆建築 有栖川宮旧邸は大きく分けて、公家屋敷と武家屋敷の二つの様式からなり、さらに後世の増改築が施された、高級官僚官舎の様相が加わる複合的な建築様式になる。
 建物内部は、「玄関棟」「住居棟」「客間棟」という3つの棟からなる。
 有栖川宮旧邸がそのまま移築されたと見られる、書院造りの様式を備えた部屋和室の「客間」は、12畳半ある。「床の間」と「付書院」を備えた2畳の「上段の間」がある。また、中庭を挟んだ北西隅の「和室」も旧邸の様式を残しているとみられている。
 幕末-大正期にかけての高級官僚官舎の様相を伝える、15畳のケヤキの部材を使った板張りの「板間」「能舞台の間」がある。板は、「ハの字」に組まれ、床下には、音響効果を高めるための大甕が埋められているという。
 南側の下立売通に面している長屋門は、創建年は不明という。長屋門形式としては最上級の構えといわれ、白漆喰塗になる。門の両側は長屋で、門番部屋として、家臣・使用人の居所などに利用されていた。あるいは、屋敷内から見て右手は、居住に、左手は納屋として使ったともいう。これらの様式は、近世諸大名の武家屋敷門として江戸時代に多く建てられたという。
 烏丸通に面している青天門は、表門として銅板と真鍮板で葺かれた平唐門になっている。塀とともに、大正期の門建築の作例として評価が高いという。近代、1912年、三井銀行総長・社長の三井高保(1850-1922)私邸の表門として新築された。
 その後、移築され、さらに1952年に現在地に再移築されている。名の由来は、その年の仲秋の名月の夜、当時の所長・石田寿と親交があった歌人・吉井勇(1886-1960)により、李白の詩より「青天門」と名付けられたという。
◆庭園 庭は南庭と中庭の2庭ある。2009年、「植治(しょくじ)」の第11代・小川治兵衛(1942-)の作庭による。
 枯山水の南庭は、石組と飛石、白砂、苔地、植栽を使った、丸、三角、四角と多形で多彩な構成になっている。
 中庭は、石の囲いの中に、白砂、刈り込みによる州浜で、現代的な枯山水の庭になる。
◆しだれ桜 敷地内にある2本の枝垂れ桜は、1952年、現代の画家・堂本印象(1891-1975)の発案により、醍醐寺三宝院内の実生の桜を移植した。
 安土・桃山時代、太閤秀吉(1537-1598)の「醍醐の花見」(1592)当時の桜の孫にあたるという。 
◆年間行事 秋の特別公開(10月30日-11月3日)。


*普段は非公開。
*年間行事は日時など変更の場合があります。



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客間、左手に南庭、右に中庭がある。

「床の間」と「付書院」(左手)による「上段の間」

「付書院」

引き手金具にも菊花紋があしらわれている。

旧邸が移築されたと見られる「和室」

板の間、矢筈敷(檜垣組)

梁は、贅沢な一本の部材を使ってある。

南庭

中庭

枝垂れ桜


有栖川宮旧邸 有栖館 〒602-8013 京都市上京区五町目町185,烏丸下立売角  075-414-8155 (平安女学院大学法人本部)

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