八坂神社御旅所・冠者殿社 (京都市下京区) 
Kajadono-sha Shrine
八坂神社御旅所・冠者殿社  八坂神社御旅所・冠者殿社
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八坂神社御旅所


八坂神社御旅所



冠者殿社


冠者殿社


冠者殿社
 八坂神社御旅所(やさかじんじゃ おたびしょ)は祇園御旅所ともいう。周囲に御旅町、御旅宮本町の地名が残る。
 その西隣に冠者殿社(かじゃどのしゃ/かんじやでんしゃ、かじゃでん)がある。八坂神社の境外末社であり、官社殿社ともいう。
 冠者殿社の祭神は、素戔鳴尊荒魂(すさのおのみことあらたま)を祀る。詳細不明。俗に、堀川の館の源義経を夜襲した土佐坊昌俊(正尊)の霊も祀るという。
 商人、芸舞妓などが商売、仕事上で使った嘘を祓う信仰がある。
◆八坂神社御旅所の歴史年表 創建の詳細、変遷は不明。
 かつて、感神院大政所祇園旅所(旧地は下京区烏丸通仏光寺下ル)と称した。秦助正は祇園神降臨の神託を得る。祇園社より蜘蛛の糸が自邸庭に続いており、邸内に御旅所を建て神輿を迎えたことに始まるという。
 安土・桃山時代、1591年、豊臣秀吉の命により現在地に遷されたという。かつて付近一帯には、八坂神社の御旅所、摂社などが建ち並んでいた。
 近代、明治期(1868-1912)末、四条通の拡張工事に伴い、御旅所、摂社が立退きになる。
 大正期(1912-1926)、通りの南に大政所殿(素戔鳴尊・八王子の御旅所、旧地は烏丸通仏光寺下ル大政所町)、少将井殿(櫛稲田姫の御旅所、旧地は車屋町通夷川上ル少将井御旅町)が遷される。冠者殿社、通りの北側には北の社(大神宮、稲荷社)などがあった。
 その後、北の社は立退きになる。南の社は、分断される。
◆冠者殿社の歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
 かつて、烏丸高辻の大政所御旅所(大政所町)にあり、その後幾度か遷された。万寿寺通高倉東入官者殿町に遷された。
 安土・桃山時代、1592年、豊臣秀吉の命により現在地に遷される。
 江戸時代、1863年、焼失している。
 その後、すぐに再建された。
◆土佐坊昌俊 平安時代後期の僧・武士・土佐房昌俊(とさのぼう しょうしゅん、?-1185)。大和・興福寺西金堂の堂衆。のちに土肥実平の仲介で源頼朝に従う。『平治物語』では渋谷重家の子・金王丸とし、源義朝に仕えたという。1185年源頼朝の命を受け、頼朝の弟・義経暗殺のために鎌倉から上洛する。義経の詰問に対し、謀事を否定する誓文を書く。一旦、宿所に引き返し、六条室町の義経邸を急襲した。だが、計略は失敗し、鞍馬山に逃げ、追っ手に捕えられる。六条河原で斬首、晒し首にされたという。(『吾妻鏡』)
◆冠者殿社の誓文払い 「誓文払い」(恵比須講、起請返し)(10月20日)は商人、花街の篤い信仰がある。
 誓文とは、神に誓う起請文のことをいう。嘘の罪を祓い、神罰を免れるために行う。これにあやかり、一年間の商い上の駆け引き、嘘を免罪できるものとされた。商店ではその前後に、「誓文払い」と銘打ち廉売されていた。
 神話では、姉弟神の天照大神、素戔鳴尊の間に誓約(うけひ)が交わされたという。弟・素戔鳴尊が天に昇ってきた際に、姉・天照大神は攻めてきたと思い、武装して構えた。素戔鳴尊は反攻の意思がないとし、身の潔白を晴らすために子を産むと誓う。もしも、男児であれば清心であり、女児であれば濁心とした。男児5柱が生誕したことから、誓約された神として崇められるようになった。
 土佐房昌俊は、源頼朝の命により義経を討つ。熊野詣を装い上洛するが、義経と弁慶の詰問を前にして、身の潔白のためとして7枚の誓文を起請した。そのうちの3枚は八幡宮に、1枚は熊野権現に、残りの3枚は誓いの証として灰にして呑み込んだ。だが、誓文を破り、義経の堀川邸に夜襲をかけた。義経の勢に捕えられる。首を刎ねられる直前に、自らが忠義のために偽りの誓文を立てたことを悔い、その罪の救済を願じたという。以後、土佐房昌俊も誓文の神として祀られるようになったという。
◆冠者殿社の無言詣 商人、芸舞妓により祇園祭、二十日えびす講の日(10月20日)に「無言詣」が行われていた。
 祇園祭では、御旅所に神輿が滞在する7夜間に、深夜に願掛けのために詣でた。たとえ知人に出会っても口を開かなければ大願成就するとされた。
 川端康成の『古都』では、千重子が御旅所への七度参りしていた苗子に出会う。
◆八坂神社御旅所の年間行事 祇園祭神輿渡御(7月17日-24日)。
◆冠者殿社の年間行事 社祭(八坂神社により社祭が行われる。誓文払いの行事で、神符や撤饌が授けられる。)(10月20日)。 


*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』『京都 歴史案内』『京都大事典』『京都のご利益徹底ガイド』『文学散歩 作家が歩いた京の道』


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 冠者殿社 〒600-8031 京都市下京区貞安前之町,四条通寺町東入南側 
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