棚倉孫神社 (京都府京田辺市) 
Tanakurahiko-jinja Shrine

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鳥居、江戸時代、1702年、淀藩4代目藩主・石川憲之の奉納による。






拝殿


拝殿


拝殿
 JR、近鉄京田辺駅の西、府道22号線沿いに棚倉孫神社(たなくらひこ じんじゃ)がある。境内にはかつて、天神森(てんじんのもり)といわれる鎮守の森が広がっており、産土神として崇敬された。天神社とも称された。 
 祭神は、天香古山命(あめのかごやまのみこと)を祀る。天下平定、災難除け、健康長寿の信仰を集める。
 式内社。平安時代の『延喜式神名式(延喜式神名帳)』(927)記載の「綴喜郡 十四座 大三座 小十一座」の「棚倉孫神社 大 月次新嘗」に比定されている。また、同「天神社(あまのかみのやしろ)」をあてる説もある。
◆歴史年表 創建の詳細不明。
 飛鳥時代、623年、相楽郡の棚倉ノ庄より高倉下命(たかくらじのみこと、天香古山命)を勧請したともいう。(『棚倉孫神社紀』、1526)
 平安時代、859年、畿内の七道諸神進階・新叙により、「棚倉孫神」はそれまでの従五位下より従五位上に神階が進み叙された。(『三代実録』、859年の条)。
 927年、式内社『延喜式神名式(延喜式神名帳)』の「綴喜郡 十四座 大三座 小十一座」に「棚倉孫神社 大 月次新嘗」と記されている。
 江戸時代、元禄年間(1688-1704)、山城淀藩主・石川憲之により、毎年御供料の寄進を受ける。
 江戸時代、天神社と呼ばれた。
 近代、1868年、境内にあった神宮寺の松寿院が廃された。
◆石川憲之 江戸時代前期-中期の大名・石川憲之(1634-1707)。石川廉勝(かどかつ)の長男。祖父・忠総を継ぎ、1650年、近江・膳所藩主石川家2代。1651年、伊勢亀山藩主、1655年、近江国守山宿で朝鮮通信使の接待を命じられた。1669年、山城淀藩主石川家初代となる。1677年、畿内と西国の天領の検地を務めた。1695年、将軍・徳川綱吉に「論語」を講じた。
◆祭神 祭神の天香古山命は、別名を高倉下命(たかくらじのみこと)、また手栗彦命(たなくりひこのみこと)ともいい、この手栗彦(たなくりひこ)が棚倉孫(たなくらひこ)に転訛したともいう。(『神社要録』『大日本史神祇志』)。
 また、棚倉には蚕棚(かいこだな)の小屋の意味があり、かつて南山城に住していた渡来系豪族が携わっていた養蚕の神ともいう。
◆建築 「本殿」(府指定文化財、1983)は、江戸時代、1606年に建てられた。一間社流造、檜皮葺。
 「拝殿」は、江戸時代に建てられた。3間2面の入母屋造、こけら葺、前後に唐破風の向拝が付く。周囲に縁高欄を巡らす。1980年に檜皮葺より銅板葺になる。
 江戸時代中期以前の「絵馬舎」は、1998年の台風9号により破損し、2000年に修理した。
 現在の社務所は、かつての神宮寺・松寿院(しょうじゅあん)寺坊だった。江戸時代、1844年に建立された。江戸時代末期、1858年より近代、1871年までは寺子屋として使われていた。
 ほかに、南北参集殿がある。
◆文化財 絵馬殿に奉納絵馬がある。
 江戸時代、1839年奉納の角力図。江戸時代後期の画家・岸岱(がんたい、1782-1865)、江戸時代後期の画家・西村楠亭(にしむら なんてい、1775-1834)、江戸時代後期の書家・白川芝山(しらかわ しざん、生没年不詳)、義山涼信(ぎざん、生没年詳細不詳)、江戸時代の画家・長沢廬鳳(ながさわ ろほう、芦鳳、1804-1871)らの名がある。
 本殿右手の石灯籠は、安土・桃山時代、「天正二年(1574年)」の銘が入る。
◆瑞饋神輿 瑞饋神輿(ずいきみこし)は、例祭(10月体育の日)で氏子地区を2年に一度巡行する。五穀豊穣の祈年祭になっている。
 神輿の起源についてはわかっていない。北野天満宮の瑞饋神輿を手本とし、江戸時代、1607年頃に制作したものともいう。また、近代、明治期中期よりともいう。祭りは、1929年に中断し、1976年に47年ぶりに復活している。1978年に瑞饋神輿保存会が結成された。同年10月に京田辺市市文化財2号に指定されている。
 隔年製作される神輿は2基、重量は380㎏ある。子ども神輿1基は毎年造られている。神輿は、寄進された30種以上の穀物、野菜、花などにより飾りつけられる。瑞饋のほか、唐辛子、茄子、瓢箪、小豆、大豆、金時豆、トラ豆、黒豆、なた豆、黒三度、茗荷、米(新米、小米、赤米、紅に着色した白米、籾)、稲穂、粟、柿、きんかん、夏蜜柑、椿の実、山椒の実、鷹の爪、鶏頭、千日紅、縄などが使われている。
◆年間行事 交通安全祈願祭(1月5日)、祈年祭(2月17日)、大祓式・茅の輪くぐり(7月1日)、隔年祭・瑞饋神輿(ずいきみこし)巡幸(10月体育の日)、宵宮・お神楽奉納(10月14日)、例祭(10月15日)、新嘗祭(11月23日)、除夜祭・年越し行事(12月31日)。


*年間行事(拝観)などは、中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。

*参考文献 『京都府の歴史散歩 下』


  関連・周辺      関連      周辺       

本殿

五社殿、2005年に改築された。正一位寶蓮稲荷大明神、紅梅殿・老松殿、春日大明神・天照皇大神宮・八幡大菩薩、多賀神社、稲荷神社の8社を祀る。

末社・金比羅社、金山比古命・金山比売命を祀る。春日造、1988年に本殿修理の際に仮本殿として建替えた。

瑞饋神輿

絵馬堂、絵馬、喜寿の祝い、桝と斗棒

神宮寺・松寿院跡の石標

クス、カシなどの常緑高木
 棚倉孫神社 〒610-0331 京都府京田辺市田辺棚倉49   0774-62-2460
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