宝幢寺 (京都市左京区)
 Hodo-ji Temple
宝幢寺 宝幢寺 
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 比叡山西麓、高野川の南の高台に宝幢寺(ほうどうじ/ほうとうじ)はある。山号は霊芝山(れいしざん)という。
 浄土宗西山禅林寺派(永観堂)、本尊は阿弥陀如来立像。
◆歴史年表 創建の詳細、変遷は不明。
 江戸時代、寛永年間(1624-1644)、1634年とも、旭移(きょくい)により開創されたという。境内の夢想滝の音を、「観音経を誦する声」として草庵を結んだことに始まるという。
 1697年、近くの崇道神社で発見された小野毛人墓誌の複製が当寺に移される。
 現代、1988年、称名寺に伝えられていたという念仏踊りが復活した。
 1991年、念仏踊りが京都市無形民俗文化財に登録される。
 2011年、旧称名寺逆修板碑が境内に移される。
◆旭移 江戸時代の浄土宗の僧・旭移(きょくい、生没年不詳)。詳細不明。寛永年間(1624-1644)、1634年とも、宝幢寺を開創する。
◆本尊 本尊の「阿弥陀如来立像」は、信濃・善光寺本尊を写したものという。「相好貴奇」な仏像として知られた。多くの仏師が造仏の見本として訪れたという。
 善光寺の本尊は善光寺式阿弥陀三尊像(一光三尊阿弥陀如来像)といわれている。中央に阿弥陀如来、右に観音菩薩、左に勢至菩薩が立ち、三尊が一つの光背の中にある。絶対秘仏とされ、厨子は堅く閉じられている。7年に一度の御開帳もお前立ちのみが公開される。お前立ちは鎌倉時代の作で、一応、本尊の写しとされているが確認はされていない。
 『善光寺縁起』によると、善光寺如来は、釈迦が生前していたインドで出現したという。百済を経て飛鳥時代、552年、欽明天皇の頃、日本への仏教伝来とともに伝わったという。「生身の如来様」といわれ、人肌の温もりがあり、語らい、白毫からは智恵の光明を発するという。印相は、施無畏印(右手は手のひらを開く)、左手は刀印(手を下げ、人差指と中指を伸ばしほかは曲げる)という。これは飛鳥・白鳳時代、法隆寺金堂の釈迦三尊像などに見られる特徴という。左右の菩薩は梵篋印(胸の前で左の掌に右の掌を重ね、掌の中に真珠の薬箱が隠されているという)を結ぶ。三尊像は蓮花弁が散った蕊の重なる蓮台に立つ。
 京都での善光寺式阿弥陀三尊像は得浄明院に安置されている。
 廃寺となった称名寺(称名寺)本尊だった「阿弥陀如来」も宝幢寺に安置されているという。
◆建築 山門、鐘楼、本堂、書院、庫裡などが建つ。観音堂跡がある。
◆文化財 室町時代の紙本彩色「円光大師像」一幅、室町時代の絹本著色「地蔵菩薩像」一幅。
 「金銅小野毛人(えみし)墓誌」(国宝)の木製摸像品がある。近くの崇道神社本殿奥の山中より、江戸時代、1613年、石棺中から銅板墓誌(京都国立博物館保管)が発見された。遣隋使・小野妹子の子・毛人(?-677)の墓とされた。ただ、墓誌は奈良時代(8世紀前半)のものという。この地は、山城国愛宕郡小野郷にあたり、小野氏の本拠地のひとつになっていた。1697年の再埋め戻しの際に複製が当寺に移された。
 宝幢寺境内に「称名寺逆修板碑」が8基立つ。逆修とはね生前に逆(あらかじ)め自らの死後の冥福を祈って仏事を営むことをいう。江戸時代、1646年に稲荷町にあった称名寺に建立された。寺はその後、廃寺になる。1870年、板碑は上高野墓地入り口に移転した。2011年、祠を建立し宝憧寺境内に移されている。
夢想の滝 境内東の夢想滝には、梅谷川より水が引かれている。かつて、滝上に観音像が安置されていたという。開山の旭移が滝音を「観音経を誦する声」と聞いて草庵を結んだという。
◆念仏踊り 8月19日夜、宝憧寺境内で念仏踊りが舞われている。新仏になった人を偲ぶもので、踊り手は施餓鬼台の位牌を囲む。右手に団扇を持ち、浴衣に三巾前垂れ姿の女性達が、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えながら鉦、太鼓の囃子で静かに踊る。
 平安時代、949年、称名寺(廃寺)の境内で始まったものという。近代、大正期(1912-1926)末に途絶える。その後、1988年に復活した。1991年、京都市無形民俗文化財に登録されている。 
◆花暦 紅葉。
◆年間行事 念仏踊り(8月19日)。


*非公開。境内参詣自由。
*年間行事などは、中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都府の歴史散歩 中』『京都の寺社505を歩く 上』『日本の古代遺跡28 京都Ⅱ』『昭和京都名所図会 3 洛北』



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西門

本堂

本堂山号扁額「霊芝山」

鐘楼

仏足石


阿弥陀如来

称名寺逆修板碑

なでなでじぞう

夢想滝
 宝幢寺 〒606-0073 京都市左京区上高野釜土町17   
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