角宮神社(乙訓神社) (長岡京市) 
Suminomiya-jinja Shrine
角宮神社(乙訓神社) 角宮神社(乙訓神社) 
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拝殿


本殿神明造、左に主祭神の火雷神(ほのいかづちのかみ)、玉依姫(たまよりひめのみこと)、建角身命(たけつのみこと)、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりびこいさちのみこと)の四神、右に春日神(三神)

 小社、角宮神社(すみのみや じんじゃ)は、乙訓坐火雷神社(おとくにいますほのいかづちのかみやしろ)、乙訓社、角宮乙訓神社とも呼ばれた。旧井ノ内村の産土神として崇敬された。 
 祭神は、本殿左に主祭神の火雷神(ほのいかづちのかみ)、玉依姫(たまよりひめのみこと)、建角身命(たけつのみこと)、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりびこいさちのみこと)の四神、右に春日神(三神)を祀る。
 火雷神は古くより、祈雨、農耕守護神、鎮火の神として崇められてきた。
 式内社。平安時代、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』(927)中「乙訓郡十九座 大五座 小十四座」の「乙訓坐大雷(おほいかずち)神社」に比定されている。
◆歴史年表 創建、変遷の詳細は不明。
 旧社地は、現在地、井ノ内の西部、宮山にあったという。火雷神がこの地に降臨したという。また、向津日山(向日山)に鎮座する二社があった。ひとつは、山城国乙訓郡向神社(現在の向日神社)と称し、後に、乙訓坐火雷神社(角宮神社)を合祀したという。両社は、それぞれ上ノ社(上社)、下ノ社(下社)と呼ばれたという。
 飛鳥時代、702年、文献の初見になる。祈雨神として「山背国乙訓郡に在る火雷神」とある。(『続日本紀』)。朝廷より幣帛(へいはく)が奉献される。奉幣(ほうべい/ほうへい)も度々あったという。当社を含む四社(ほかに賀茂上下社、松尾社)の社殿の修理が行われた。
 奈良時代、774年、前年の12月に乙訓社に狼、鹿多く、野狐百ほどが毎夜吠えて鳴いた。その後、7日して止んだという。(『続日本紀』)
 784年、第50代・桓武天皇の長岡京遷都にともない、賀茂上下社、松尾社、乙訓社は從五位下に叙せられた。(『続日本紀』)
 平安時代、927年、『延喜式神名式(延喜式神名帳)』)中「乙訓郡十九座 大五座 小十四座」の「乙訓坐大雷神社」と記されている。
 鎌倉時代、1221年、第82代・後鳥羽上皇が、鎌倉幕府討幕のために挙兵し敗れた承久の変により、下社の社殿は焼失した。そのため下社は、神宝、古文書などを上社に預けた。
 1275年、社殿が荒廃し、下社の再興はされなかった。上社に向日神、火雷神、玉依姫命、神武天皇が祀られたという。
 室町時代、1484年、現在地に下社は再興され、井ノ内の産土神として祀られる。その後、上社、下社で神宝をめぐる対立が起こる。 
 近代、1883年、ご神体は下社(角宮社)に遷されたという。
 現代、2000年、神殿、拝殿、神饌所など再建された。
◆賀茂伝説 「乙訓坐火雷神」について『山城国風土記』逸文では、川遊びをしていた玉依姫(玉依日売、玉依毘売命、玉依比売)が、流れてきた丹塗りの矢により懐妊し、賀茂別雷神が生まれたとある。
 酒宴の席で、父の名を訊ねた祖父・賀茂建角身命に対して、孫・賀茂別雷神は、御殿の天井を破り天井に昇ったという。
 『風土記』には、「謂はゆる丹塗矢は乙訓郡の社に在す火雷神に坐す。」とあり、賀茂別雷神の父は火雷神であると記されている。
 ちなみに、下鴨神社の祭神は、賀茂建角身命と、その娘・玉依姫を祀る。上賀茂神社の祭神は、賀茂別雷神を祀る。また、当社の東にある向日神社(向日市)の境内末社・増井神社のご神体は、火雷神の荒魂を祀る井戸とされている。
◆井ノ内 付近の地名の井ノ内は、付近に泉があったためという。七泉で湧水があったという。
◆年間行事 例祭(5月1日)。

『山城風土記』逸文
賀茂建角身命、丹波(たにはの)国の神野神(かみぬの)、伊賀古夜日売(いかこやひめ)に娶(みあ)ひて生みませる子、名を玉衣日姫命と曰し、次を玉依日売と曰す。玉依日売、石河の瀬見の小川の辺に遊為す時に、丹塗矢、川上より流れ下りき。乃ち取りて床の辺に挿し置きしかば、遂 に感(かま)け孕みて、男子を生みたまひき。人と成る時に至りて、外祖父(みおほじ)賀茂建角身、八尋屋を造り、八つの戸扉を堅め、八しほをり(酉+囚+ 皿)酒を醸みて、神集へ集いへて、七日七夜楽遊したまひき。然て子に語らひ言りたまひけらく、汝が父と思はむ人に、此の酒を飲ましめよとのりたまひしに、 即ち酒杯を挙げ天に向ひ祭を為して、即て屋の甍を分け穿ちて天に昇りましき。乃ち、外祖父の名を因みに取りて、賀茂別雷命と号す。謂はゆる丹塗矢は乙訓郡の社に在す火雷神に坐す。賀茂建角身命丹波の丹波国の伊賀古夜日売と玉衣日売と、三柱の神は蓼倉里(たでくらの)の三井社に座せり。



*年間行事は中止・日時・内容変更の場合があります。
*年号は原則として西暦を、近代以前の月日は旧暦を使用しています。
*参考文献 『京都・山城寺院神社大事典』『京都・大枝の歴史と文化』『昭和京都名所図会 6 洛南』『京都おとくに歴史を歩く』


  関連・周辺向日神社      関連上賀茂神社     関連下鴨神社      周辺           

境内社、左から八幡宮、大神宮、稲荷社、向日神社


境内のオオグスのご神木

小畑川
 角宮神社 〒617-0813 長岡京市井ノ内南内畑35 
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